インデックスに戻る



Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年08月のニュース一覧
▼[2005.08.31]生と死
▼[2005.08.29]テクノロジーと法
▼[2005.08.27]rio forEvEr
▼[2005.08.25]ゲームからの出来事
▼[2005.08.23]すべての本を,ゴミ箱に
▼[2005.08.21]瓦解の光
▼[2005.08.19]売れない理由
▼[2005.08.17]家族,というもの
▼[2005.08.15]最後のページ
▼[2005.08.13]世界と,自分と
▼[2005.08.11]まともな音楽と
▼[2005.08.09]要らないサイト
▼[2005.08.07]続・あしたのファイル共有
▼[2005.08.05]ラジオが消える日
▼[2005.08.03]猫のお話
▼[2005.08.01]コントロラダンギ

■2005年09月のニュース一覧
■2005年07月のニュース一覧


 
[2005.08.31]
  生と死


 ▼Scientists probe anti-ageing gene(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4186324.stm


 人は,生と死の両方を探求して生きている,不思議な生き物だ。

quote:米国の科学者は,マウスが通常より30%長生きする遺伝子を発見した。ギリシャのマイナーな女神の名前を取ったそのクロソ(またはクロト)と呼ぶ遺伝子には,老化に関連するプロセスでさまざまな役割があると科学者は云う。クロソの活動を促進することで,オスのマウスは2〜3年長く生きるようになった。テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの病理学助教授,黒尾誠氏らは,「これは老化防止の治療の,重要なひとつとなる」とサイエンス誌に話す。だがクロソには副作用があり,繁殖能力がさがり,糖尿病の素因をつくる可能性がある。科学者はその欠点を避けながら,クロソが生命を強化する方法を探している。

 死にたいかと訊かれたら,ほとんどの人は死にたくないと答えるかもしれないが,よくよく考えると,老いたくない,という方が正解なのかもしれない。ほとんどの場合は,老人は格好悪く,愚かで,忘れっぽく,思考能力がなく,周囲に合わせられず,性的魅力もない。「不老不死」と一緒にされることが多いが,老いがなければ死もないはずで,老いを止める遺伝子の発見によって,マウスが長生きしたというのは当然とも云える。まぁ,それを人間に対して行ったときに,どのようなカタチになるかはもちろんわからないのだけど。

 老いたくはない,でも死ぬことは,常に望みだ,と云う希望は,常に持ち合わせている。「人間は死ぬことを望んだので,戦争をする。自己保存の要求はきわめて深いものかもしれないが,死への欲情はさらに深い」とは,コーリン・ウィルソンの言葉だ。常に戦争は起こり,それが途切れることはない。それと同じく,死をすぐに実現する方法は自殺しかなく,戦争がなくならないのと同じで自殺もなくならない。クロソは,生への欲求の研究結果のひとつだが,すぐに死ねる遺伝子も,そのうちみつかるかもしれないネ。人はもちろん,それも望んでいるのだから。



 
[2005.08.29]
  テクノロジーと法


 ▼With technology, it's easy to break the law(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/andrewkantor/2005-08-25-technology-law_x.htm


 優秀なファイル共有ソフトを作成した有能な人間を逮捕するような,この国の法律は,すでに,大いに,狂っている。

quote:アンドリュー・カンター氏のコラム。わたしは自宅でWi-Fi機能が付いたノートパソコンを開いた。自宅にもWi-Fiの設備はあるが,より電波の強いネットワークがあってそれがパスワード保護されてなかったので,わたしは隣人のネットワークに接続してしまった。これは,窃盗です。わたしの2歳の息子は,CD・DVDディスクをよく破壊する。わたしはそれを防ぐために,DVDをよくバックアップする。好きなソフトはDVDデクリプターだ。これは違法ですか? でも,それを違法だと云うのは映画業界だけではないですか?

 今回のカンター氏のコラムは,「テクノロジーで法を破るのは簡単だ」というタイトル。わたしはこのページでは常に,著作権は要らないと云っている。この世には著作権法と呼ばれる法律があるようで,著作権など要らないと云っているのだから,当然著作権法など守る必要がない,とわたしは述べる。そんなものが存在する理由がないし,守るべき理由とやらも,あとから頭のおかしい人が考えたとしか思えない不可思議なテキストでしかない。わたしたちにいま必要なのは,作品を作った人間に対する,礼儀と正しき作法だけであり,支払うべき対価もそこにしか存在しない。

 米国のDVDを観ると,最初にFBIなんたらかんたらと云う表示が出るが,カンター氏の吐露は,それに対する憤りもあるのだろう。なぜ,DVDをコピーすることはできないのか? なぜ,DVDで表示されている画面をキャプチャして静止画として保存することはできないのか? なぜ,iTunes ミュージックストアで購入した曲はわたしのMP3プレイヤーで再生できないのか? まぁ結局全部できてはいるんだけど,でも,それを制限する法律が正しいとは,到底思えない。わたしも,違法者と呼ばれても結構です。



 
[2005.08.27]
  rio forEvEr


 ▼Rio Audio, RIP: 1998 - 2005(www.engadget.com)【英語】
  http://www.engadget.com/entry/1234000483056128/


 「リオ・オーディオ,安らかに眠れ:1998-2005」。

quote:楽しい7年だった。が,わたしたちの親友,リオはこの死を免れぬ世界で,製品の発売を中止した。1998年に32MBメモリのリオ・ポンプ300からMP3プレイヤーを出荷して,リオはさまざまな発売元の会社の転移などの嵐を切り抜けた。いまその死を迎え,わたしたちは心からリオへの愛が過ぎ去ったことを嘆く。

 わたしはあんまり引き出しのなかのモノをいじくり回さない人らしく,いまの机の引き出しも,たぶんこの部屋に引っ越してきた6年ぐらい前からずっといじっていないかもしれない。そして,その引き出しを開けると,リオ600とリオ800がすぐに出てきた。もしかしたら,電池を入れれば動くだろうか? ぃゃ,充電式だから充電用のアダプタがないとダメかと思ったら,充電式の電池の代わりに単3乾電池を入れたら,電源が入ったー。リオ600は中身が空だったけど,リオ800はいろんな曲が入ってた*******。わたしはこのふたつの前のリオ500も使っていて,とにかくなにかと想い出に残っているデバイスである。

 その頃のリオは,日本ではあんまりサポートが活発ではなく,日本語のタグはほとんど文字化けしていたし,米国でアップデートがあっても日本語のサイトでそれが提供されることもほとんどなかった。でも,たぶんいまみんながiPodを持ち歩いているように,当時のわたしもリオをいつも持ち歩いていた。MP3こそが命であり,リオはその心臓だった。ドクドクと手を当てると脈を打つ鼓動が伝わってきて,想いも笑いも涙も全部そこにあった。MP3がちょうど10歳を迎えたという年(過去記事)に聞く,リオの終焉というニュースは,回顧で一晩を充たしそうだ。



 
[2005.08.25]
  ゲームからの出来事


 ▼Lawyer vows to prove link between video games and murder(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/08/12/lawyer_videogame_murder_link/


 ゲームをして恋愛に走る奴だっているかもしれない。なに,をするかは,誰にもわからないし,そこに責任など問えない。

quote:3件の殺人で起訴されたデヴィン・ムーア氏に対して,被害者の弁護士であるジャック・トンプソン氏は,ムーア氏が行っていたゲーム(グランド・シーフ・オート(GTA))の発売元であるテイクツー・インタラクティブ社やゲームの小売業者,プレイステーションを作ったソニー社などに対して民事訴訟を開始し,その裁判に勝てると明言した。ムーア氏は逮捕後,「人生はテレビゲームだ。誰でもいつか死ななければいけない」と述べたと云う。ムーア氏はGTAをたくさんの時間行なっており,トンプソン氏はGTAを「殺人シミュレーター」と呼んでいる。

 暴力的なゲームをし続けて,もともとなんらかの暴力的素因があった者は,殺人などの事件を起こすことになるだろうか? わたしはGTAというゲームについての知識がないので,テキトーなことしか云えないが,記事によるとムーア氏は何度もGTAで殺人のリハーサルを行なっていたと,トンプソン弁護士は述べていると云う。なにか殺人を犯したいと思っていて,実際に捕まるかどうかテストして試せるゲームがあったとしたら,試しにやってみる人がいてもおかしくないとは思う。

 だが,だ。個人的には,ゲームによって,実際に殺人を犯す人は稀だと思う。いない,とは云わない。なかにはいるかもしれない。ゲームをしていて,なにか精神的にタガがはずれて殺人を実際にしてしまうキチガイもいるだろう。だがその引き金を引くのは,別にゲームに限った話ではなく,小説だってアニメだって絵本だってあり得る。それはその人間が生きてきたすべてを見つめ直さなければならず,容易にできることではない。あえて云えることがあるとしたら,ソニーまで訴えるこの弁護士は,かなりキチガイだと云うことだろうか。



 
[2005.08.23]
  すべての本を,ゴミ箱に


 ▼Academic libraries empty stacks for online centers(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/products/books/2005-08-22-academic-digital-libraries_x.htm


 本のページなんかぢゃ,狭すぎる。

quote:新たに仕入れる本が,全然ない大学の図書館もある。ユタの図書館では,9万冊もの本以外に,オンラインデータの収集を新しい図書館システムの基として始めた。「図書館はまだ物理的な本の収集に焦点を合わせているが,それがすべてではなくなっている」とペンシルバニア州立大学の指導官は云う。アリゾナの公立高校では,生徒に本の教科書をまったく供給しなくなった。生徒はオンラインのパソコンで,宿題をこなす。「図書館は情報を集めた場所だった。そして,本は単に情報をパッケージする一手段だった。だが,いまではより詳しい情報は,オンラインでパッケージされている」とはユタの図書館のアシュクロフトさん。

 過去記事で十分に思い知ったけど,もう,本というもの自体,必要ないのだ。これは別に先走った発言ではない。出版社も要らないし,本屋も要らない。それらにはもう,存在価値などカケラもない。大学の図書館は,集積する情報として本以外を集め始めている。そうすることで,学生は必要な情報をより素早く探し出すことができる。記事にあるが,本のハリー・ポッターを読む学生はたくさんいる。だが,いまの学生はそこからオンラインで活動を始める。ブログに考えを記し,必要なものは共有する。結局そうするのなら,最初からオンラインにあってもなにも変わらず,その方が,スマートだ。

 “ずっと本ばかりを読んでいた。本棚にはあふれるほどの本が並び,その背表紙の色合いが気になったりもしていた。でも高校生になって,恋をしてわかった。本には,文字しかないのだと。わたしの気持ちを表しているような本は一冊もなく,この気持ちを本として表すことなんてできないと思い知らされた。世界は本のなかにはない。でも,彼とのメールでの言葉のやり取りには,おさえる気持ちとおさえられない気持ちが満ちていた。わたしの世界は,そこにある。だからわたしは,ネットワークのページだけで生きていけばよくなった。そして,すべての本を,ゴミ箱に投げ込んだ”。



 
[2005.08.21]
  瓦解の光


 ▼DVD Shrink website shuts down(afterdawn.com)【英語】
  http://www.afterdawn.com/news/archive/6739.cfm


 ウインドウズ環境では,定番とも云えたふたつのソフト。消滅したわけではないが,瓦解したことは,明確。

quote:DVDシュリンク(非常にポピュラーなフリーウェアのDVDバックアップソフト)のウェブページが,一時的にかもしれないが閉鎖している。Doom9・オルグのウェブマスターによると,これは法的な問題によるものではないと云う。DVDシュリンクは最後のバージョンがリリースされてからすでに1年以上が経っており,すでに開発は終了している。その最新のバージョンはafterdawn.comのページからダウンロードできる。

 前回のDVDデクリプターのページのダウンから,またかと思ったが,今回はそのような法的な圧力によるものではないようだ。とは云うものの,どぉもタイミング的に偶然なのかなぁと思ってしまったりもするんだけど,DVDシュリンクも記事引用中にあるafterdawn.comのページから落とせるし,DVDデクリプターも,afterdawn.comのページから落とせる。

 だが,とりあえず公式のようなサイトを潰すということから云うと,DVDデクリプターもDVDシュリンクも,この世界からはなくなったわけで,DVDデクリプターを潰した人たちの意向は全面的に達っせられたようだ。この世界には,自分がいつも使っているソフトがいつ手に入らなくなっても大丈夫なように,前もって保存しておく人と,なくなったら諦めるか,別の入手手段を捜す人と2種類いる。最初の人はともかく2番目の人は公式サイトがなくなることで潰せる,ということになるのだろう。まぁもちろん,それだけでなかなか消えていかないソフトではあると思うけど(キャッシュ)。



 
[2005.08.19]
  売れない理由


 ▼Apple barely a contender in South Korean MP3 player market(www.endget.com)【英語】
  http://www.engadget.com/entry/1234000760053930/


 まぁ難癖つけるいちばんの理由も,hymnやJHymnでなくなってきてるので,好き放題売れてくれていいんだけど。

quote:もしあなたがiPodを嫌いなら,iPodが王者になれない気になる国がひとつある。それは,韓国だ。韓国ではアップル社のマーケティングがまったく通用しないのか,MP3プレイヤーの市場占有率の調査結果では,わずか1.8%の13位となっている。ちなみに,1位はiRiver,2位はサムスン電子社だ。

 iTunes ミュージックストアで曲を買ってしまったら,もう一生持ち歩くしかなくなるiPodなんて誰が使うんだろうかと思っている人がいるようだが(←お前だ),マック本体が売れなくてもiPodだけで会社が成り立ってしまうようになってしまったアップル自体にゲンナリしつつも,この異常な人気はやっぱり異常だ。そんななかで,なんでかiPodがさっぱり売れてないのが韓国らしい。どこの国でも理由なしに売れているアホ商品なのに,なんで韓国でだけ売れてないのだろうか?

 日本でその理由を訊いても,きっとどっか変なところから出てきた韓国批判に化けるので訊きたくないが,いくつか理由になりそうなものをあげると…。(1)アップルが韓国でのマーケティングで手を抜いた,(2)手は抜かずに他国と同じようにしたが,なぜか韓国人には全然伝わらなかった,(3)そもそも値段が高いとか,良さを打ち消すようなダメな理由が先行してしまった,あたりなのかなぁ。わかりません。まぁ,とは云っても冷静に考えれば,そんなに売れる理由がそもそもないと云えばないので,マック本体と似たり寄ったりの1.8%は,妥当な数字なのかと思ったり。



 
[2005.08.17]
  家族,というもの


 ▼How to keep your computer activities out of divorce court(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/kimkomando/2005-08-14-divorce-court_x.htm


 1970年代を過ぎて,家族は第一の存在ではなくなり,その代わりは,街やサブカルやオタクや,さまざまなものがあがってきた。そして,ネットワークは,いま,もっとも大きな代わりとして存在しており,このまま定着しそうな勢いを感じる。

quote:キム・コマンド氏のコラム。私立探偵を雇うのが,離婚のための証拠固めをする唯一の方法ではない。あるケースでは,妻は夫のパソコンにキーロガーをインストールした。しかし,フロリダの裁判所は3月,その行為は法律に違反するため,証拠として認められないと裁決を下した。離婚の訴訟においてパソコンで証拠集めをすることは,泥沼の様相を呈するが,ほかの裁判では認められたこともある。どんな通信にもパソコンを安易に使用しないように,パスワードはできる限りしょっちゅう変えて,メールを送るときは警戒を,チャットや掲示版の使用はできれば避けた方がよい。

 もし浮気なんかをするようなら,パソコン内にその証拠が残らないように,削除したつもりでも,それらは取り出される可能性が残っている,と強く述べられている。家族でパソコンを共有するようなら,それなりに準備が必要だ,ということだろう。一般的には,家族内でそんな警戒をするなんて…と非難されることもありそうだが,でも実際,離婚を考えている夫婦にとっては,夫・妻が誰とメールしているか,掲示版でどんな書き込みをしているかをチェックするのは当然,のことなのかもしれない。と思う。

 もともと,家族と云うものが存在価値をなくし,もしかしたらその代わりのようにネットワークが存在するわたしたちにとって,パソコンの共有と云うのはある意味考えられない状況かもしれない。生きる上で必要なのは,家族でもなければ国家でもない,政治的立場でもなければ個人的趣向でもない,_ネットワーク上でどんな行動をするか_であり,そのための行動の基礎(設定ファイルやデータファイルなどになっている)は,共有したりできるものではない。そこにはすべてが詰まっているのであり,提示・共有できるものではない。…そして,そこからは,新しい家族のカタチを考えるべき時に差し掛かっていることが示されているのを感じる。年寄りは難癖をつけるかもしれないが,わたしはそれを考えたいと思う。



 
[2005.08.15]
  最後のページ


 ▼Google postpones scanning of copyrighted books(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-08-12-google-books_x.htm


 いますぐ手持ちの本は解体し,スキャンを始める。テキストのキーワードで検索できるようにするのは難しいが,まずスキャンして,保持しておこう。もうめくる紙のページは,持っている必要がないのだから。

quote:グーグル社グーグル・プリント・プロジェクトは,大学図書館での著作権で保護された本のスキャンを停止すると発表した。プロジェクトのマネージャーであるアダム・スミス氏は,現在掲載している本は11月まで利用できると述べた。グーグル社の発表は出版業界の懸念を取り除きはしないと,出版業界の代表者は述べる。8ヶ月前にプロジェクトが発表されてから,何冊がスキャンされたかは伝えられていない。

 orz。こんなに激しくがっかりするニュースは久し振りだ。いろんな書籍上のテキストデータを検索して,新しい本と出会ったり,より詳しい本の情報を入手し,購入することもできただろうに。わたしは現在日本に住んでいるので,ハーバードやスタンフォードなどの大学にある本なんて探し出すこともできない。でもグーグル・プリント(過去記事)なら,それが可能となるはずだった。のだが,中止でそれもできなくなった。欧州でも反発を受けて中止していたが,米国でも同様の結果になった。

 グーグルのデータは,あらゆる反発を生んでいる。フランスでは,グーグル・ニュースに対して通信社から損害賠償を受け,記事を取り除いている(PCWorld.comの記事)。本を探す手段として,テキストを提供しない出版業界は,もう滅んでもいいのかもしれない。かなしいことだが,過去の本をみつけ出す手段は用意されておらず,グーグル・プリントはそのかけがえのないチャレンジだった。のだが。_出版_と云うこと自体,ウェブによって過去のものとなっているが,みずから生きる道を閉ざす者に,もうかける言葉はないようだ。さよなら,書籍よ。



 
[2005.08.13]
  世界と,自分と


 ▼Is my brain analog or digital?(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/08/10/analog_digital_letters/


 世界は,もともとデジタルでも,アナログでもない,のかもしれない。ただ,それをどう受け取ろうとするか,選べる自分がいる。

quote:わたしたちの思考がデジタルではなくアナログであるという記事に,たくさんの面白い手紙が寄せられた。×世界はアナログではなくデジタルである。実際のところ,アナログテープをみても,そのデータ格納法はデジタルである。スティーブン・ノックス。×わたしには,心が連続的にアナログ的に動作するのは当然のように思う。それはスパイベイ博士がわたしたちの思考を脳(brain)ではなく,心(mind)と表す理由である。しかし,わたしはアナログという言葉が常にほかのなんらかの模倣(アナログ)によって成り立っていることを指摘しなければいけない。アレックス・ドゥビンスキー。

 人間自体がアナログであるか,デジタルであるか,と訊かれたら,わたしはデジタルであると答えるだろう。もちろん,それが正しいとすぐに立証することはできない。頭のなかにある記憶は,必ずすぐに呼び出すことはできず,なにかの拍子にふいに表に出てくることもある。本当にデジタルであれば,そんな不確実性はない,はずだ。ひたすら眠り続けて,ある日急によみがえってくる思考もある。良い,悪い,の判断は,ひとつひとつの判断によって導き出されるのではなく,一時の気持ちや,ふいの心持ちによることがあるのも,認めてしまう。つまり,最終的な判断はアナログ的な思考に,寄っている。

 だが現在では,すべてはデジタル化しているように,整理されていく。さまざまなテキストはデジタルでハードディスクに詰め込まれていき,検索によって導き出される。書籍のページもすべてスキャンされ,ビューアーでめくられていく。もちろん検索によってデータがピックアップされることはないが,すべてのページは画像処理によって修正され,よりみやすく保管されていく。受け取り方としても,デジタルとして頭に詰め込んでいく。世界を,デジタルとして処理したいわたし自身がいることに,気付く。ネットワークの普及は,データのデジタル化を加速しているように思う。それに合わせて,世界をデジタルとして処理しようとしている自分が,いるのだ。



 
[2005.08.11]
  まともな音楽と


 ▼Musicians try to join Apple's iTunes in Japan(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/products/services/2005-08-10-itunes-japan-artists_x.htm


 日本でもやっとiTMSが使えるようになったわけだけど,このレコード会社のゴタゴタは,どぉしたものかね。

quote:日本でiTunes ミュージックストア(iTMS)は先週木曜日にオープンし,4日間で100万曲が購入された。しかし,ソニー社の音楽事業部であるソニー・ミュージック・エンターテインメント社(SME)はまだサービス参加の契約を行っていない。が,SMEと契約があるロックミュージシャンの佐野元春氏は,自身の歌のいくつかをiTunesで利用可能にしている。「リスナーがどこで音楽を聴くかは,個人の自由です。わたしはリスナーがどこにいても,わたしの音楽を送りたいと思う」。佐野氏は水曜日に,日本経済新聞にそのように話したと伝えられた。SMEの広報であるイデ・ヤスシ氏は,佐野氏がソニーのアーティストとはもはや考えられないと述べる。イデ氏はアップルとの交渉は続いているが,結果は各々の契約に依存すると云う。

 記事引用中に佐野氏の言葉があるが,わたしは日経新聞の記事を読んでいない。ので,USATODAY.comの記事のなかにある英文の翻訳であり,言葉は正確ではないことを察して欲しい。が,おおむね,彼が自分の曲を提供した理由は推測できるし,なぜ,ソニーが契約していないのか,SMEに属するミュージシャンがまったくいない状況をどのように受けとればいいのか,推し量ることしかできないが,佐野氏の行動はひとつの意味を与えているのは確かだろう。The Registerの記事にあるが,SMEは,ソニーBMGとわけられており,他国ではソニーBMGも曲を提供している。米国では,1曲99セントで,だ。

 音楽配信についての知識も経験もわたしにはないので,ちょっと離れた場所からいままでみてきたが,iTMSのサービス開始以後,わたしのサイトに「JHymn」(キャッシュ)という検索キーワードで来る人が多いことに気付いている。ダウンロードしたM4Pファイルのプロテクトを解除し,M4A,またはMP3ファイルに変換したい人が多いのだろう。わたし自身もいくつか曲をダウンロードし,JHymnでMP3に変換して自身の携帯電話で再生できるようにしている。過去記事の時点ではいくつか対処が必要だったが,現在のバージョン(0.8.5)では問題なくプロテクトを解除でき,「FairKeys」メニュー→「Download your keys」で「Japan」を選んで自分のIDを入れればよい。あとはM4Pファイルをウインドウにドロップして「Convert」ボタンを押すだけ。まともな音楽の利用が,やっとできそうだ。



 
[2005.08.09]
  要らないサイト


 ▼Google snubs press in privacy fury(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/08/06/google_privacy_snub/


 まぁ要らないサイトなんて,世の中いっぱいあるだろうけど。もっとシテオク気味ぢゃないともっと要らないなしかし。

quote:グーグル社は,技術系ニュースサイトであるCNET社のニュース・コムを,1年間ブラックリストに掲載した。グーグルの代表は,記事によって生じたプライバシー問題に対応し,2006年7月までの1年間,ニュース・コムの記者と話さない方針を定めた。

 ちなみにわたしは,本家の米国CNETの記事も,そこからテキトーに翻訳してテキトーに掲載している日本語版の記事も読んでないので,この欄のテキストもテキトーだと思われる。過去記事のようなことがあってからまともな報道機関としてはあまりにもお粗末で存在価値がないので,別にいつなくなってくれてもいいんだけど,なにやらグーグルから見放されたらしい。最初からグーグルを潰したいと云うなら好きなだけやればいいんだけど,なんか中道っぽいようなふりだけして,結局MSを批判しはしないと云う立ち位置でうろつき,今回もそれの続きなんだろうけど,まぁそんな内容で1年ですんだんなら,まぁ物笑いの種になっただけでよかったんぢゃないのという感じだが。

 実際のところ,個人情報入手ツールとしてグーグルの価値は高い。運がよければ著名人の住所や電話番号も手に入るだろう。またグーグルは,キャッシュとして幾多のデータを保持している。著作権などいろいろな問題にかこつけて文句を云いつけたいだけの人は多い。が,CNETのバカと同じで,そんなのを記事にして喜んでいるような人は,ネットワーク上ではだからなにもするなと云い出しかねないような人たちとなる。まったくもって迷惑だ。つまり死んでくれていいので,CNETごとなくなってくれてかまわない。たぶん掲載されてるテキストを読んでもたいしておもしろくないだろうし。



 
[2005.08.07]
  続・あしたのファイル共有


 ▼Freenet's anonymous P2P by years end?(afterdawn.com)【英語】
  http://www.afterdawn.com/news/archive/6703.cfm


 いま,すべてが変わってはいけないという法は,ない。

quote: フリーネットの開発者グループは水曜日,年末までに新しいピア・トゥ・ピア(P2P)ファイル共有のソフトウェアが利用できるようになると発表した。「ダークネット」とも呼ばれてしまうこのシステムに接続している間,参加ユーザーは匿名となる。匿名提供中の著作権侵害を問題なしにするのは,このグループの役割ではない。ダークネットでは,ファイルのアップローダーとダウンローダーを決して直接接続しないことで匿名を作成している。

 フリーネット(Freenet)は匿名性は高くてもファイルのやり取りをするには向いていない,というのが定説としてあった。Winnyなどはそれをひとつの出発点として作り始めたと云う記述もあったが,とにかく,純粋なファイルのやり取りという面だけみると,フリーネットはかなり役立たずだった。が,どぉも,その状況も変わりそうだ。年末までのファイル共有に特化したツールのリリース。もしかしたら,いろいろなものを変えるツールになるかもしれないが,ただし。

 そこで先日のグロックスターとストリームキャストへの最高裁の判決(過去記事),ソフト提供は著作権侵害の責任を追う可能性がある,という判決が頭をもたげてくる。フリーネットの開発陣が著作権侵害に向かわないようにユーザーを指南する必要があると云うことになりかねない。ユーザーとしてはなんともバカバカしいが,だが,フリーネットの代表であるイアン・クラーク氏は明言している。「新しいソフトで著作権侵害を奨励するつもりはないが,だが,コミュニケーションの自由と著作権の厳守は,互いに相容れない。そして,フリーネットはファイルを共有する2人を守るためにある」。なにが,自分にとって大切なのか,どんなネットワークが必要なのか,いろいろと考える必要があるだろう。



 
[2005.08.05]
  ラジオが消える日


 ▼Storm clouds gather over podcasting(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-08-03-podcasting-usat_x.htm


 個人がやっているまともなネットラジオがひとつもないこの国が,幸せなのか,不幸なのか,わかるよね?

quote:シアトルの公立のラジオ局,KEXPは主要なレコード会社からのサポートなしでポッドキャストの放送を行なっている。ポッドキャストはネットからファイルをダウンロードし,音楽プレイヤーソフトや携帯音楽プレイヤーでも聴くことができる。多くのポッドキャスターは,TiVoがテレビを変えたのと同じように,ポッドキャストがラジオを変えると思っている。だが,レコードレーベルは著作権侵害を心配している。EMI社の副社長はポッドキャストは面白いとしているが,そのための契約をまだできていない。

 ポッドキャストが流行っている理由は簡単だ。それは,自由だからだ。ほとんどのポッドキャストはMP3だから,ほぼ全部の音楽プレイヤーソフトで再生できる。それだけでなく,iPodを始めとするほぼ全部の携帯音楽プレイヤーでも再生可能だ。記事中にもあるように,一度落としてしまえば,ネットにつながってなくても再生できる。一時停止することも早送りすることも巻き戻すこともできる。MP3のカッティングをできるソフトがあれば,曲部分だけを切り取って利用することもできるし,とにかくなんだってできる。だから,ポッドキャストは流行っている。

 米国ではライブ365のようなサービスがあるので,ユーザーが数千円の料金を払うだけで自分のラジオ局を作ることができ,手持ちのほとんどのCDの曲を自由に流すことができる。ポッドキャストでの曲の使用にはまだそのような取り決めができてないのだが,今後なにか方策がとられるだろう。個人的には,テメエが買った曲をテメエがどぉ使おうと自由であり,完全に自由にした方がアーティストのためになると思うが,わずかな負担でどこからも文句を云われなくなるなら,手数料程度に考えるユーザーも多いのだろう。ラジオがポッドキャストを取り入れるのではなく,すべてのラジオはポッドキャストになる。いまは,まだその準備期間でしかなく,準備がすんだら,ラジオは消える。



 
[2005.08.03]
  猫のお話


 ▼Why cats don't go for sweet foods(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4707793.stm


 猫の目では動いているものはみえるが,止まるとみえなくなるに近いらしい。ネズミを追っていて,ネズミが急に止まって動かなくなると,まったく姿がみえなくなる。まぁ実際に猫の目でみた人はいないだろうけど。

quote:なぜ猫は甘いものを食べないのか? 公共科学図書館の遺伝学の誌面で発表される。猫は,味を感じる遺伝子が不完全で,甘い食べ物を感じることができないのだ。長い間,猫やライオン,トラなどが甘いものを嫌いなのは謎だった。そのような哺乳類は珍しいため,甘味を感じる受容体を調べた。そして明らかに欠陥があった。彼らが甘いものを好きでないのは,それを経験できない,意味がない味だからだ。

 ということで,猫などは肉食としての進化をたどった,とある。嫌な味がするから食べないのではなく,味がしない,という方が近いのだろうか。まったく味を感じないものを食べ続けなければいけないとしたら,多くの人にとっても苦痛かもしれない。だから見向きもしない,というのは当然なのかもしれない。うちの猫にチョコレートを差し出しても,みもしないで指先をペロペロとなめてきた。

 関連しないんだろうけど,もうひとつわからんものに猫舌がある。ではあれはなんなんだろう。舌の熱さを感じる神経が鋭い? いや,熱さを感じる神経が少ないから,突如熱さを感じて,それで苦手になるのか? 猫はなぜ熱いものが苦手なのか? まぁ熱い食べ物なんてほとんどないからかもしれないが,まったく受け付けないのは生きる障害にもなりえるのだし。ということで,やっぱり猫は猫で,よくわからない生き物なのでした。



 
[2005.08.01]
  コントロラダンギ


 ▼Xbox 360 gonna have a qwerty controller?(www.engadget.com)【英語】
  http://www.engadget.com/entry/1234000040052434/


 「俺の姿が舞太になるってのはどぉかな?」「…。うーん,なんか変なコラとか流行りそうだな。やめとけ」。

quote:これは明らかにジャンキーな情報なのだが,スペインでのXbox 360の説明会でのスライドには,QWERTYキーボードを装備したコントローラーが示された。その説明文の翻訳は衝撃的だ。「・QWERTYキーボード ・コントローラーに取り付けられる ・テキストメッセージを送ったり,ゲームの間,チャットができる」。

 「engadget.comの記事のリンク先にそのスライドの画像(キャッシュ)があんねんけど,まともなサイズのQWERTYキーボードがついてるとしたら,このコントローラーはいったいどんなデカサやねん」「それはいいけど,なんで関西の言葉なんだ?」「飽きた。やめる」「早いな。まぁいいや。確かに普通に両手で文字を打てるサイズだとしたら,まるでゲーム機本体を持つぐらいのコントローラーになりそうだ」「ファミ通.comの記事とかにコントローラーの画像があるな。あれ? キャプションに『大きさは現行機のものとほぼ同じ』ってあるな。ってことは…」「ぃゃ,ないだろ」「Xbox専用つまようじとかでキーを押すのか?」「ぃゃだからないって」。

 「しかしスライドの画像にはヘッドセットとかビデオカメラとかもあるのに,QWERTYキーボードもなんて,欲張りだと思いませんかしかし」「だから口調を変えるなよ」「つまりなんでもありだなと」「まぁパソコンのOSを作ってる会社だしね」「ヘッドセットとかビデオカメラなんて,使う奴いないだろけどな」「そんなもの?」「せっかくゲームしてるのに自分の声とか姿とか表に出したいと思わないだろ。なんか別のものに置き変わるならあれだけど」「別のものってなんだ?」「そうだな。俺の姿と声が想像を絶する萌えキャラになるなら使うね」「それはネカマとかそう云うレベルを超えて犯罪だな。やめとけ」。



楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル